調査データをBIMモデルに統合することで、施工精度の管理・トレーサビリティ・意思決定の迅速化など、さまざまなメリットが期待出来ます。
【BIM統合による主なメリット】
1.杭施工の精度を可視化
ドローンで取得した杭芯データ(点群や座標)をBIM上で重ねることで、設計位置と実測位置を視覚的に確認、許容範囲内かの判断が迅速となる。
2.トレーサビリティと品質証明
杭位置の記録が時系列で残る為、施工報告書に3Dでのエビデンスを添付でき、施主・監理者にも情報共有が円滑となる。
3.施工ミスの早期発見・修正
配筋・柱・壁など上部構造のBIMモデルと照合し、杭芯ズレが影響する構造要素を事前に把握したり、修正や調整の判断を事前に行うことが可能となる。
4.施工BIMとしての一貫性が高まる
杭工事→基礎→躯体と工程が進む中、全ての構造が空間的に一体で把握できる。現場関係者間の情報共有がスムーズとなる。
5.将来の維持管理・改修にも有効
地中部の杭位置をBIMデータとして記録しておくことで、維持管理の際に把握が容易となる。増築や改修時の事前調査コスト削減にも繋がる。
今回が初めての取り組みであり、実運用にはいくつかの課題も見られました。一方で、BIMモデルとの連携により視覚的な差異の把握が容易となり有効性を実感することが出来ました。今後も現場の実情に即した形で建築DX化を進め、業務の高度化・効率化に取り組んで参ります。
ドローンによる空撮
杭伏図と点群データを重ねる為の基準合わせ
杭伏図と点群データを重ねる。杭芯差異の有無を確認することが可能